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HOME >  「禁煙の日」とは? >  「禁煙の日」にしてほしいこと >  治療法について知ろう・伝えよう

治療法について知ろう・伝えよう



では、どうやって禁煙すればよいのでしょうか。禁煙は確かに自力で行うこともできますが、禁煙補助薬を用いれば、より効果的に楽に禁煙を達成できます。
禁煙補助薬は医療機関で処方してもらうことができますが、薬局で購入できるものもあります。また、医療機関の禁煙外来で受ける治療には、条件を満たせば保険が適用されます。そして、もし禁煙中に我慢できずについ1本吸ってしまったとしても再チャレンジすることが大切です。繰り返しチャレンジすることにより、最終的には禁煙できるようになることも多いのです。

自分の力だけで禁煙するなら

吸いたい気持ちをそらせることが、禁煙には効果的です。また、喫煙者は喫煙が生活のリズムになっていて、習慣的につい吸ってしまうことも多いため、喫煙に結びつきやすい行動を避ける、喫煙のかわりになる行動をするなど、日常生活を工夫します。


禁煙補助薬や禁煙治療用アプリを使う保険診療が可能

より効果的に楽に禁煙
禁煙補助薬を使うと、自力で禁煙する場合に比べて、禁煙成功率が約3〜4倍高まるだけでなく、離脱症状(禁断症状)を抑えながら比較的楽に禁煙できます。また、一定の条件(表1)を満たせば、医療機関の禁煙外来で保険を使って12週間の禁煙治療(図1)を受けることができます。加熱式たばこも対象になります。そのため、費用があまりかからずに禁煙することが可能です。
表1 保険で禁煙治療を受けるための患者条件
(4つすべてを満たす場合に可能)
  1. ただちに禁煙しようと考えていること
  2. ニコチン依存症のスクリーニングテスト「Tobacco Dependence Screener」(TDS) が5点以上であること
  3. 35歳以上の場合,ブリンクマン指数( 1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
  4. 禁煙治療を受けることを文書により同意していること)
図1 標準的な禁煙治療プログラム
禁煙治療では禁煙を実行・継続するための禁煙補助薬や禁煙治療用アプリが処方され、医師と看護師からアドバイスを受けます。受診の一部※をスマートフォン・パソコン・タブレット端末のビデオ通信などの情報通信機器を用いて受けることが可能です。
※かかりつけであるなどの条件を満たす場合は受診のすべて

現在使える禁煙補助薬には、ニコチン製剤とニコチンを含まない飲み薬であるバレニクリンがあります。
ニコチン製剤を使うニコチン代替療法は、禁煙時に出現するニコチン離脱症状に対して、ニコチンを薬剤の形で補給し、その症状を緩和しながら、まず心理・行動的依存(習慣)から抜け出し、次にニコチン補給量を調節しながら、ニコチン依存から離脱するというものです。

一方、バレニクリンは2つの働きがあり、脳にあるニコチン受容体に働きかけて、ニコチン製剤と同様に禁煙に伴う離脱症状や喫煙の切望感を少なくするとともに、服用中に再喫煙した場合に喫煙から得られる満足感を小さくします。
いずれの禁煙補助薬も、すでにもっている病気や服用している薬剤などによって使えない場合があります。必ず、医師や薬剤師に相談してください。

禁煙治療用アプリとCOチェッカー
2020年には、医師が処方するニコチン依存症治療用アプリ(禁煙治療用アプリ)およびCO(一酸化炭素)チェッカー(図2)が、これまでの治療への上乗せ効果が認められ、保険適用になりました。身体的依存に関しては禁煙補助薬が大変有効ですが、精神依存に対しては、5回の受診時の限られた診療時間のみの治療だけでは十分ではありません。この機器は、受診と受診の間の毎日、心理的なサポートをしてくれるツールとして高い効果が証明されています。
図2 禁煙治療用アプリおよびCO(一酸化炭素)チェッカー

禁煙治療用アプリとCOチェッカーは、禁煙外来受診時以外の禁煙をサポートするツールです。両者を組み合わせて使い、一定の要件を満たした場合に保険適用となります。アプリでは、一人ひとりの患者さんの状況に合わせた診療ガイダンスが届くほか、依存症や行動療法などについて学ぶことができ、精神的なサポートになります。また、COチェッカーを使って自宅で呼気一酸化炭素濃度を確認することで、喫煙状況をモニタリングできます。禁煙治療用アプリとCOチェッカーは、禁煙治療開始から24 週目まで使用します。12週間の標準的な禁煙治療プログラムが終了した後でも使用を継続することで再喫煙防止に効果があるとされています。